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【AB投信】アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信を評価・考察してみる【アクティブファンド】

 

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Twitterで「アライアンス・バーンスタイン」の投資信託についてちょろっと話を伺ったので、有名どころの「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信」について自分なりに評価・考察をしてみました。元々米国株式に投資する際に有名どころのインデックスファンドは一通り調べていましたが、アクティブファンドについてはアクティブってだけで最初から避けてました。アライアンス・バーンスタイン自体は有名なので知ってはいましたけどね。

 

アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信とは

ファンドの特色

  アライアンス・バーンスタイン・
米国成長株投信
運用方針 マザーファンドを通じて、主として成長の可能性が高いと判断される米国株式に投資。
投信タイプ アクティブ
投資対象 米国株式
ベンチマーク S&P500
信託報酬 1.727%(税込)
運用会社 アライアンス・バーンスタイン株式会社

アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信は、成長の可能性が高いと判断される米国株式に積極的に投資するアクティブファンドです。ベンチマークは米国の代表的な株価指数である「S&P500」であり、これを上回る事を目標としています。

 

信託報酬は「1.727%(税込)」とアクティブファンドの中でもかなり高めです。S&P500の値動きに連動する投資成果を目指すインデックスファンド「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」は0.0968%(税込)なので、約18倍です。

 

ほとんどのアクティブファンドはインデックスファンドに勝てないと言われており、その中でもS&P500を超えるパフォーマンスを目指すというのは相当な難易度です。高額な信託報酬を支払うだけの価値が、アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信にはあるのでしょうか。

 

優秀ファンド賞を数多く受賞

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出典:アライアンス・バーンスタイン

 

アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信は、評価期間中のパフォーマンスや運用が優れているファンドに贈られる「優秀ファンド賞」をたくさん受賞しています。よくお菓子で「モンドセレクション受賞」のラベルが貼ってあると、凄く良い商品に違いないと錯覚して思わず買いたくなってしまいますよね。「優秀ファンド賞」売り文句としては最強レベルだと思います。

 

まぁモンドセレクションはお金で評価を買っていると噂されており、胡散臭いのであんまり信用出来ませんが、優秀ファンド賞は実際のパフォーマンスをベースに評価しているので、受賞したという事はそういう事なんでしょう。では見せてもらおうか、アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信の性能とやらを。

 

選べる4つのコース

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出典:アライアンス・バーンスタイン

 

アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信は4つのコースがありますが、A・Bコースは年2回、C・Dコースは年12回の分配金を出すファンドです。分配金が出るという事は都度20.315%の税金がかかり、それを再投資にまわすと税金分目減りしているので、分配金を出さずに自動で再投資してくれるファンドより複利の効果が薄まります。長期投資が前提の場合、分配金を出すファンドはあまり効率的ではありません。特にC・Dコースは注意が必要です。

 

Aコース(為替ヘッジあり)/Bコース(為替ヘッジなし)
※年2回決算型
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A・Bコースは半年間の収益に応じて分配金を調整・捻出していますので、基準価額と基準価額+分配金の値動きが寄り添っています。通常分配金を出すと基準価額は大抵下がりますが、収益がちゃんと確保出来ている状態であれば大きく目減りしません。A・Bコースは分配金を出しつつ、直近5年間で基準価額もしっかり上昇しているので非常に優秀なアクティブ運用と言えます。

 

Cコース(為替ヘッジあり)/Dコース(為替ヘッジなし)
※毎月決算+予想分配金提示型
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逆にC・Dコースは毎月分配金を出しており、収益が分配金に追いつかず純資産から分配金を捻出しているため、基準価額が5年間で全く上昇していません。しかもこのコースの分配金は「予想分配提示型」という仕組みを取っており、分配金が固定化されています。

 

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出典:アライアンス・バーンスタイン

 

分配金出しすぎです。現在Dコースの基準価額は2020年6月2日時点で「11439円」なので、11439円で10000口買付すると毎月200円の分配金が貰えます。仮に11000円以上12000円未満を1年維持したら年2400円貰えるため、利回り19~20%という恐ろしいリターンを出す事になります。

 

S&P500自体が直近5年間右肩上がりをしていたので、大きな分配金を出しつつ基準価額を横ばいで維持出来ていたかもしれませんが、S&P500が停滞して横ばい、もしくは下落基調になったらまともな収益が確保出来ず、タコ足配当で基準価額は減る一方となり、ブラジル株式ツインαファンドと同じ運命を辿る事になるでしょう。

 

とはいえ、C・Dコースは1150万円くらい買付したら税引前で毎月20万円程度の分配金が入ってきますので、ちょっとしたセミリタイア生活がおくれそうですね。長期運用による資産形成には全く向いてませんが、十分な資産をすでにお持ちの方には配当金生活の選択肢としてありかもしれません。良くも悪くも、S&P500の未来とアライアンス・バーンスタインの腕次第ではありますが。

 

S&P500と比較した運用成績(直近)

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出典:アライアンス・バーンスタイン

 

どのコースも運用は同じなので、優秀ファンド賞を総なめにしているBコースの直近5年間の運用成績を確認してみます。2017年中旬まではS&P500とほぼ同等でしたが、以降は分配金を出しながらもS&P500に勝ち続けています。これは確かに凄い。優秀ファンド賞を総なめにするのもわかる気がします。

 

 

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コロナショックでもeMAXIS Slim米国株式(S&P500)に大きく差をつけています。月報によるとセクター別配分では情報技術とヘルスケアが50%以上を占めており、下落の影響が少ない銘柄を保有しつつ、下がったところでリバウンドが大きい銘柄を仕込んだ感じですかね。まさにアクティブ運用ならではの芸当です。

 

S&P500と比較した運用成績(全体)

ファンドの紹介ページには過去のS&P500との闘いが記録されていました。Bコースは2006年5月からの運用ですが、残念ながらデータとしては2010年までしか残されていませんでした。よって10年分となりますが、以下がアライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信BコースとS&P500の闘いの結果です。

 

決算日
トータルリターン
AB米国(Bコース) S&P500
2010年 12/15 2.0% 7.4%
2011年
6/15 4.0% 5.9%
12/15 -12.0% -7.2%
2012年
6/15 0.1% 4.1%
12/17 25.5% 28.3%
2013年
6/17 41.6% 49.1%
12/16 61.8% 57.6%
2014年
6/16 34.9% 30.9%
12/15 31.5% 32.3%
2015年
6/15 42.7% 33.7%
12/15 14.4% 5.3%
2016年
6/15 -13.7% -13.0%
12/15 0.7% 10.7%
2017年
6/15 27.0% 24.0%
12/15 24.3% 14.7%
2018年
6/15 24.9% 17.4%
12/17 5.0% 0.9%
2019年
6/15 5.3% 3.9%
12/16 22.3% 19.9%
平均 18.0% 17.2%

実は10年間のトータルリターンとしては、アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信は「0.8%」しかS&P500に勝っていません。2008年のリーマンショックがひと落ち着きした後、2010年からS&P500は10年間上昇し続けましたが、実際の運用成績はどっこいどっこいでした。

 

傾向としてS&P500に大きく勝つ時と大きく負ける時が混在しており、短期的に見ると良好なパフォーマンスを出しているように見えますが、長期的に見るとS&P500とそんなに変わらない運用成績である事がわかります。むしろお高い信託報酬1.727%(税込)を加味すると、仮にeMAXIS Slim米国株式(S&P500)と勝負した場合は信託報酬差で負ける事になります。ましてやつみたてNISAで非課税のアドバンテージをぶつけられたらまず勝ち目はないでしょう。

 

まとめ

アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信のA・Bコースについては、つみたてNISAで楽天VTIやeMAXIS Slim米国株式(S&P500)やSBIバンガードS&P500に投資しているなら不要と考えます。特定口座で買付するにしても、信託報酬が非常に安い米国株式のインデックスファンドが揃いすぎており、アクティブファンドに高い信託報酬を支払ってまで米国株式に投資する必要性を感じません。分配金目的であれば吝かではありませんが。

 

今後めちゃくちゃ伸びるという保障もないので、私は無難にインデックスファンドを推しておきます。C・Dコースは配当金生活をやってみたいという人には案外適したファンドかもしれませんが、アライアンス・バーンスタインの運用にかかっていますので過度な信用は禁物です。タコ足配当に片足突っ込んだら即逃げたほうがいいでしょうね。