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【レイ・ダリオ】グローバル5.5倍バランスファンドはオールウェザー・ポートフォリオになれるか【グロ55】

 

 

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グローバル5.5倍バランスの登場は思った以上にインパクトが大きく、ネット販売はマネックス証券・SBI証券の2社にも関わらず、すでに16億円の資金が流入しています。グローバル3倍3分法の成功例があるため、グローバル5.5倍バランスにもかなりの期待感がある模様。最安値の信託報酬で話題となった「SBI・バンガード・S&P500」や米国に特化したレバレッジ型バランスファンド「USA360」のように、グローバル5.5倍バランスファンドも投資信託の新たな選択肢と成り得そうです。

 

注目したいところは、グローバル5.5倍バランスはグローバル3倍3分法と違って株式・REIT・債券に「金」を加えた事で、長期投資で避けられない暴落を驚異的な耐久で乗り越えるレイ・ダリオさんの「オールウェザー・ポートフォリオ」に近い事です。いずれはオールウェザーにレバレッジをかけた商品が出てくるかも?なんて考えてたら本当に出てきたので困りましたね。グローバル5.5倍バランスは、はたしてどれくらいオールウェザー・ポートフォリオに似ているのでしょうか。

 

 

オールウェザーとグローバル5.5倍バランス

オールウェザー・ポートフォリオのおさらい

オールウェザー・ポートフォリオは、「成長・停滞・インフレ・デフレ」の4つの季節に対抗出来る資産をバランスよくポートフォリオに組み込み、安定したリターンを目指す投資戦略です。器用貧乏で大きなリターンは狙えませんが、非常に手堅い分散投資をしており、下落耐性がかなりある事で有名です。

 

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出展:Portfolio Visualizer

 

オールウェザーとS&P500のチャート比較です。2008年のリーマンショックでも涼しい顔してます。下落耐性が半端ないので以降8年くらいはS&P500に勝てるのですが、器用貧乏ゆえに伸びがイマイチなので、最終的には抜かれちゃいます。とはいえ、この半端ない防御力はとても魅力的ですね。

 

しかし個人がこのポートフォリオを作って維持するのはかなり難易度が高く、また手数料が割高になる事からあまり現実的ではありませんでした。グローバル3倍3分法はこのオールウェザー・ポートフォリオと方向性が似ており、山崎元さんも「個人向けとしては面白い」と評価。今回のグローバル5.5倍バランスはオールウェザー・ポートフォリオに寄せてきましたので、更に面白いファンドになるかもしれません。

 

オールウェザーとグローバル5.5倍バランスの資産配分

グローバル5.5倍バランス   オールウェザー
株式 18.2%(100%) 株式 30%
債券
72.7%(400%)
債券(中期) 15%
債券(長期) 40%
4.5%(25%) 7.5%
REIT 4.5%(25%) 商品 7.5%

 

グローバル5.5倍バランスの株式18.2%・債券72.7%・金4.5%・REIT4.5%に対し、オールウェザーは株式30%・債券(中期)15%・債券(長期)40%・金7.5%・商品7.5%という資産配分です。グローバル5.5倍バランスは「金」が入った事で、グローバル3倍3分法より株式とREITの配分を下げてきました。特にREITはかなり配分を減らして、オールウェザーで言うところの「商品」と同等の位置づけになりました。

 

 

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レイ・ダリオさんは株式と債券の比率を「1:3」にするのが理想的であると考えており、グローバル3倍3分法はそれを満たしていました。しかしグローバル5.5倍バランスは株式:債券を「1:4」の比率でまとめています。何故「1:3」でなく「1:4」にし、債券を重視したのでしょうか。おそらくはグローバル3倍3分法の基準価額への寄与額が「ほとんど債券先物によるもの」だったからではないかと考えられます。

 

債券先物の重要性

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出展:日興アセットマネジメント

 

これはグローバル3倍3分法の基準価額の要因分解(寄与額)です。2019年のグローバル3倍3分法はREITの飛躍的な上昇により基準価額を上げたと思われがちでしたが、実は各国の債券が最も寄与していました。設定日である2018年10月4日から2019年12月31日までの寄与額は「2771円」でしたが、その内半分以上の「1440円」が債券先物による寄与額でした。

 

仮にグローバル3倍3分法のデータを参考にグローバル5.5倍バランスを作ったのであれば、債券先物の重要性を見逃すはずがありません。より高いリターンを出すために株式:債券の比率を「1:4」にし、防御だけでなく攻撃としての債券に期待していると考えられます。

 

金の重要性

リーマンショックのように株式と債券が同時に下落した場合は、レバレッジ5.5倍の威力でとんでもない事になります。そこに安全資産の代表格である「有事の金」にレバレッジをかける事で下落をある程度抑制しようという試みです。

 

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出展:楽天証券

 

しかし実際のところ、リーマンショック時は金も一緒に下落しています。ですが金は下落からの回復の速さが半端なく、リーマンショックが起きた同年末にはショック前の水準まで回復し、そのまま最高値を何度も更新しながら上昇を続けました。

 

S&P500はショック前の水準に戻るのに2年半かかっていますので、いかに大暴落時における金の重要性が高いかがわかります。グローバル5.5倍バランスはグローバル3倍3分法の欠点である株式・債券の同時下落をオールウェザーに倣って金でフォローする事を選んだわけです。

 

まとめ

グローバル5.5倍バランスは、オールウェザー・ポートフォリオとグローバル3倍3分法の良いところを組み合わせた、言わば「現代版オールウェザー」という位置づけかもしれません。レイ・ダリオさんは「投資人生で一度は暴落に巻き込まれる」という指摘をしてオールウェザーを推奨していましたので、日興アセットマネジメントも長期投資における暴落対策として、グローバル5.5倍バランスを開発したのではないでしょうか。

 

個人的につみたてNISA含めて長期投資がメインであり、オールウェザーのようなリーマンショッククラスの暴落に耐えられる長期保有向けの投資信託を望んでいたので、このグローバル5.5倍バランスはかなり惹かれるものがあります。

 

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 出典:日興アセットマネジメント

 

しかしこのグローバル5.5倍バランス、実は1点気になるところがあります。大まかな資産配分はわかるのですが、内訳が一切公開されていないんです。金はまだ良いのですが、世界株式・世界REIT・先進国国債のちゃんとした内訳がないという。グローバル3倍3分法はしっかり内訳があっただけに、何故グローバル5.5倍バランスは記載がないのだろうか?ちょっと謎があるので買付は要検討です。