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【レイ・ダリオ】グローバル3倍3分法とオールウェザー・ポートフォリオについて【ブリッジ・ウォーター】

 

 

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2019年10月26日に行われた「山崎元が斬る!グローバル3倍3分法」のイベントレポートで、山崎さんがヘッジファンド「ブリッジ・ウォーター」の創業者であるレイ・ダリオさんのアイデアを引き合いに、グローバル3倍3分法に対してこんなコメントをしておりました。

 

先日、アンソニー・ロビンズという人の投資関連書籍の解説を書いたときに、レイ・ダリオのアイデアに触れる機会がありました。米国で典型的なバランスファンドというと、ひと昔前は例えば株式と債券が50:50というような感じでしたが、レイ・ダリオが言うには、株式と債券のリスクをバランスさせるためには、債券が株式の3倍くらいなければならないとのこと。経済がどの局面にあっても耐えられるようなポートフォリオを作るために、さまざまな資産を組み合わせて取りたくないリスクをヘッジした上で、それを好きなサイズに拡大する、レバレッジをかけてリターンを高めるというのは、ヘッジファンドでは確かに考えられる方法ですね。

しかし、そのようなポートフォリオを個人投資家自身で作るのは難しい。そういう意味で、ひとつの投信の中でこういう運用ができるのであれば、ちょっと面白そうですね。

経済がどの局面にあっても耐えられるようなポートフォリオというのは、レイ・ダリオさんの「オールウェザー・ポートフォリオ」のことを指していますが、グローバル3倍3分法はオールウェザーにレバレッジをかけたものではありません。しかし仕組みは似ているということで、山崎さんは「面白そう」と感じたようです。

 

オールウェザーとグローバル3倍3分法

オールウェザー・ポートフォリオとは

レイ・ダリオさん曰く、経済には「成長・停滞・インフレ・デフレ」の4つの季節があるそうです。この季節にそれぞれ対抗出来る資産をバランスよくポートフォリオに組み込むことで、安定したリターンを目指そうというのが「オールウェザー(オールシーズン)」です。ドラクエで例えると、物理攻撃に特化したみんな大好きアリーナではなく、物理攻撃も呪文攻撃もそこそこイケる器用貧乏なクリフトみたいなもんですかね。

 

クリフトはザラキ使えるだろ、バカにすんな

 

オールウェザーの資産配分

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グローバル3倍3分法の株式20%・債券66.6%・REIT13.3%に対し、オールウェザーは株式30%・中期米国債15%・長期米国債40%・金7.5%・商品7.5%という内訳です。配分的にはまぁまぁ似ていますが、大きな違いはREIT部分が金・商品であることです。オールウェザーの金・商品部分をREITにしたものが「グローバル1倍」みたいなイメージですかね。3分法(1倍バランス)ってのが正しい表現みたいですが。

 

細かな違いになってくると、株式や債券の内訳です。オールウェザーの株式は米国株式・債券は米国債なので米国オンリーとなっていますが、グローバル3倍3分法の株式は日本・海外先進国・海外新興国の3つ、債券に至っては日本・米国・ドイツ・イギリス・豪州の6つに分散しています。そもそもの分散数が違いすぎるため、配分は似ていても動きはかなり違ってきそうな感じですね。

 

 

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レイ・ダリオさんは株式と債券のリスクをバランスさせるためには、債券が株式の3倍くらい必要と考えており、グローバル3倍3分法は一応それを満たしています。ちなみにUSA360も株式90%・債券270%なので満たしています。現在のバランス型は「株式:債券=1:3」の考え方が主流なのかもしれません。まぁ3倍必要と言っておきながらオールウェザーの債券は2倍にも満たないわけで、きっと凡人には理解出来ない「何か」があるってことなんでしょう。知らんけど。

 

オールウェザーとS&P500のシミュレーション

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出典:Portfolio Visualizer

 

青線がオールウェザー、赤線がS&P500です。2008年リーマンショックでS&P500は大きく下落しますが、オールウェザーは全く下がらず平常運行。その後の2011年ギリシャショックでも何事もないかのような動きをしており、とても綺麗な右肩上がりを描いています。リーマンショックでは株式・債券が軒並み売られていたはずなのに何故か軽傷で済んでるんですよね。金・商品のおかげだとしてもちょっと防御力高すぎませんか。

 

そして最大ドローダウンは、S&P500の-50.97%に対しオールウェザーは-11.98%。下落に強い資産配分により短期ではS&P500を凌駕しますが、長期になると大きな上昇が期待出来ず、S&P500に抜かれてしまいます。S&P500は瀕死後に急成長するサイヤ人なので、一旦復活すると勢いが凄いですね。いずれにせよ暴落がなければS&P500の方が圧倒的にハイリターンであることは間違いないでしょう。

 

しかしレイ・ダリオさんは「投資人生で一度は暴落に巻き込まれる」と指摘しており、運用期間中に暴落が起きることを想定した場合は、多少利回りが落ちてもオールウェザーを選択したほうが平常心が保てそうです。「朝起きたら資産が半分になってたでござる」なんてことになったら大抵の人は会社休むと思いますが、オールウェザーなら通常出社出来そうですね。まぁ新小岩駅の状態にもよりますが。

 

投資敗者が集う駅(意味深)

 

グローバル3倍3分法のシミュレーション

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出典:日興アセットマネジメント

 

赤線の3分法(1倍バランス)のシミュレーションを見てみると、リーマンショック時は確かにオールウェザー並の下落耐性があるように見えます。リーマンショック後は株式もREITも上昇を始めていますが、3分法(1倍バランス)では株式とREITの割合が低いため、下がりはしないけど中々上がらない状態に陥ります。守り重視のポートフォリオの宿命とも言えますが、そこに3倍のレバレッジをかけてリターンも享受出来る仕組みにしたものがグローバル3倍3分法であると、開発者の有賀さんはコメントしています。

 

当然ながら3倍のレバレッジをかけているので、オールウェザーのような安定した動きにはなりません。有賀さんも「日々のブレ幅は決して小さくなく、日々の値動きの体感震度は株式並を覚悟すること」と注意を促しています。

 

まとめ

「山崎元が斬る!グローバル3倍3分法」のイベントレポートでは直接オールウェザーに触れていませんでしたが、多少なりともオールウェザーを意識して開発されたことが読み取れました。

 

オールウェザーは4つの経済季節にそれぞれ対抗出来る資産を組み込み、経済がどの局面にあっても耐えられることを目指したポートフォリオであることに対して、グローバル3倍3分法は株式と債券の逆相関を軸に効率的な分散状態を維持し、株ほど下げず株のように上がることを目指したポートフォリオです。結局はどちらのポートフォリオも下落耐性強めのバランス型であり、方向性は同じということですね。

 

オールウェザーは中々魅力的なポートフォリオですが、個人でオールウェザーっぽいものを作るとなると、ETFを色々組み合わせる必要があるためコストが高くなりますし、手動でリバランスするのも大変です。それなら最初からオールウェザーっぽい投資信託を1つ選んだほうが、リバランスも勝手にやってくれるんで楽ですよね。中身は多少違いますが、バランス型ならグローバル3倍3分法1本でいいやって結論になりそうです。

 

とはいえ、オールウェザーのシミュレーション結果は目を見張るものがありますので、いずれはオールウェザーにレバレッジをかけた商品が出てくるかもしれませんね。