つみたてパラダイム

2000年問題ならぬ老後2000万円問題に抗うブログ

つみたてパラダイム

【楽天投信投資顧問】楽天・全米株式のベンチマークとの乖離について【どうなん?】

 

f:id:hayachinense:20191104194222j:plain

 

楽天証券でつみたてNISAの買付ランキングで常に1位にいる大人気ファンド「楽天・全米株式インデックス・ファンド(通称:楽天VTI)」ですが、最近ベンチマークとの乖離の大きさが気になるという話が出ております。信託報酬引き下げ合戦が各方面で行われている最中、動かざること山の如しで全く話題性がない楽天・全米株式ですが、乖離の大きさ問題はバッドな話となってしまうのでしょうか。

 

乖離性ミリオンアーサーってゲームあったね。知らんけど。

 

楽天・全米株式のベンチマークとの乖離について

そもそも乖離ってなんなんよ

インデックス投資信託は株価指数等のベンチマークに連動する運用成果を目指します。このベンチマークの動きに近ければ近いほど、運用が上手なファンドであると判断されます。これがひとたびベンチマークの動きから離れた運用をしてしまうと「意図した運用が出来ていない」と見なされ、投資家にとってリスク的な扱いとなります。ある意味、ファンドの信用問題となるわけです。

 

乖離はベンチマークとどれくらいの差で運用出来ているかを数値化したもので、東京証券取引所のルールでは国内ETF(上場投資信託)の場合、乖離が大きくなりすぎると「上場廃止」になる可能性があります。インデックス投資をする場合は、気にしておきたい項目の一つですね。

 

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)のベンチマークとの乖離

手っ取り早くわかりやすいのが、S&P500をベンチマークとしたeMAXIS Slim米国株式です。月次レポートでファンドとベンチマークの騰落率から乖離を確認することが出来ます。

 

f:id:hayachinense:20191104210307j:plain

出典:三菱UFJ国際投信

 

チャートを見てわかる通り、ピタッとベンチマークにくっついてます。ていうか全く同じ動きでブレ幅がありません。過去1年で乖離0.1%、設定来でも0.2%となっていますので、このファンドはかなり上手な運用が出来ていることになります。eMAXIS Slimシリーズの人気の高さは、信託報酬の執拗な引き下げコンセプトだけではなく、運用上手ということも見逃せませんね。

 

楽天・全米株式のベンチマークとの乖離

では問題視されている楽天・全米株式はどうなっているのでしょうか。

 

f:id:hayachinense:20191104213418j:plain

出典:楽天投信投資顧問

 

チャートから見て年々ブレ幅が大きくなっているのがわかります。過去1年で乖離0.4%、設定来で1.7%です。確かにeMAXIS Slim米国株式に比べて乖離の大きさが目立ちますね。そもそも楽天・全米株式はバンガード社のETFである「VTIを買うだけ」のファンドなのに、ベンチマークから大きく離れてしまうのはどうしてなんだいジョニー?

 

HAHAHA、つまりこういうことだよマイケル!

 

主な差異要因としては、マザーファンドにおける継続的な資金流出入に伴う投資先ETFの売買執行コストの積み重なりや投資先ETFからの分配金に対する課税、当ファンドにおける信託報酬等の要因が挙げられます。

 

まぁ端的に言えば「大きな乖離はコストのせい」ってことですね。

 

①投資先ETFの売買執行コストの積み重なり~

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)はマザーファンドから直接米国株式に投資していますが、楽天・全米株式はマザーファンドからバンガード社を経由して米国株式に投資しているので、1つ余分に投資先が増えていることになります。まずここでコスト増です。

 

【eMAXIS Slim米国株式(S&P500)のファンドの仕組み】

f:id:hayachinense:20191104231005j:plain

出典:三菱UFJ国際投信

 

【楽天・全米株式のファンドの仕組み】

f:id:hayachinense:20191104231014j:plain

出典:楽天投信投資顧問

 

そしてVTIを買うためには円から米ドルへの外貨両替をしなければいけないので、為替手数料がかかります。当然為替は変動リスクを伴います。そして米ドルでVTIを買いますが、ここでETF売買手数料がかかります。売買回数が多くなれば、確かに売買執行コストは積み重なりますね。

 

②投資先ETFからの分配金に対する課税~

海外ETFを購入して利益が出ると、海外の税金がかかります。米国だと利益に対して10%課税されてしまいます。これはVTIを買って保有する以上どう足掻いても避けられません。

 

③当ファンドにおける信託報酬等~

信託報酬0.162%(税込)じゃ足りないって意味で捉えた場合、上がることはあっても下がることはないと遠回しに言ってるんでしょうか。取り分減らして運用に充当して乖離を修正するなら良いと思いますが、詳細がないので正直どういう意味なのかよくわかりません。

 

まとめ

楽天・全米株式は、コスト管理が上手くいってないためベンチマークとの乖離が大きくなったという回答を示しており、運用については問題ないとの見解です。しかし投資家から集めたお金を扱っている以上、ベンチマークとの乖離はちゃんと運用出来ているかどうかの判断材料になっているのは間違いありませんので、今後の改善が注目されるところです。

 

海外ETFを買うだけのファンドは、SBI・バンガード・S&P500もバンガード社のVOOを買うだけのファンドなので、もしかしたらこちらも同様にコスト管理に悩まされているかもしれませんね。運用会社の実力が試されそうです。